言葉を咀嚼する虫

むしゃむしゃむしゃむしゃ。美味しい

【4月】「短歌の目」感想 遅ればせながら!

tankanome.hateblo.jp

 

先日、「短歌の目」なる企画に参加しました。

 

うう、短歌、難しかったです。しかし楽しきかな。

 

……と言っていたらもう五月になってしまった!!

感想を投稿しないと五月の短歌が詠めないよお……ということで遅ればせながらですがいそいそと投稿。特に印象深かった歌や是非とも真似したいっ!と思った歌をメモしておこうかと思います。

 

 

 

enk.hatenablog.com

 5. 摘

胸部から摘出されたたましいをそっと舐めれば水飴の味

たましいと水飴のイメージがすんなり結びついて、すとんと落ちてくるような納得感があり、爽やかさもあり。たましいのひらがな表記とか「そっと舐めれば」の語感とか……もう素敵です。

 

ryokuchai.hatenablog.com

 5.摘

摘みとられ あなたの寝床 飾られて すやすや寝顔 見守る幸せ

 はっとしました。「摘」というお題、私はかなり苦戦したのですが、緑茶 i 様のこの一首は苦戦の跡が全く感じられない……。作者様の心の中の言葉が素直に出てきているような。作者様が実際に体験した出来事を、花(と勝手に解釈した、)からの視点で描いたのでしょうか。花の視点と言いつつも恋人に注ぐ眼差しの優しさが溢れる一首です。

 

hint.hateblo.jp

3.新学期

菜園は種まく毎に新学期 卒業生らを茹でて食べたし

やはり「卒業生らを茹でて食べたし」のインパクトのすさまじさに惹かれました……。勿論、野菜の話であることはすぐに分かりますが、最初にぱっと見たときの衝撃が凄かったです。ガツンとくるフレーズが一つあるだけで歌全体がより魅力的になりますね。参考にさせて頂きたい。

 

 

hirinzu.hatenablog.com

4.フール

 

新人の自己紹介も出鱈目なエイプリルフールは休みにすべし

この歌も変に力の入っていない、素敵な歌だと感じました。そう考えてみると、私の歌はどれも力みすぎなんですよね……。いかんなあ。嘘をつこうとしている、というよりは緊張してでたらめな自己紹介になってしまう新人、という感じでしょうか。もー、それもエイプリルフールのせいだよ、休みにしちまえっ!という半ば投げやりな威勢の良さ。「すべし」がいいな。

 

 

kazagurumax.hatenablog.com

 6.異

突然に異星に着いた私には、翻訳家などつくはずもなく

 なんだか宇宙を感じる素敵な一首。作者様の困惑、みたいなものが「つくはずもなく」の尻切れトンボな末尾に表れている。そこが好きです。

 

 

zeromoon0.hatenablog.jp

3.新学期

 

 ゆこゆこと鳴る子供らの背に咲くは満開の花 いざ新学期

 ゆっ……ゆこゆこ。ゆこゆこ、ゆこゆこ、もう頭から離れません。ゆこゆこ!

背に咲く満開の花という表現も、また、素敵です。

 

 

warurun.hatenablog.com

 9.届け

ねえゆみちゃん 幸せだよと 言いたくて でも言いたくない 思いよ届け

なんて切ない歌なんだ……。ゆみちゃん(´;ω;`)

かつての思い人、ゆみちゃん。ゆみちゃんとはもう何年もあっておらず、自分は別の人と幸せに暮らしている。幸せだと言いたいけど言いたくない、けど何かを伝えたいんだ。まで妄想しました。

 

 

baumkuchen.hatenablog.jp

2.粉

 蕾咲く瞬間よりも受粉する瞬間が見たいセーラーのまま

これは素敵な艶歌。しかしよくよく考えたら結構ど直球な内容なのではないか……という。それでも歌全体を少女のあどけなさが包んでいるのであくどさがなくて、かつ綺麗にまとまっていて、まさにお手本にしたい歌です。艶歌、詠みたいなあ。

 

 

xacoux.hateblo.jp

3.新学期
しんとした講堂に鳴る新しい上靴の音、新学期の声

 情景が頭にすっと浮かびます。新学期の清潔で新しい、張り詰めた感じが良く分かる素敵な歌。

 

 

mah-sokosoko.hatenablog.jp

1.入

一面の桜の海に入り混じり いざ舞い上がれ ぼくときみとの!

最後の余韻がたまらなく心に食い込む!

 

 

tigtig8.hatenablog.com

2.粉

片栗粉まぶして火にかけ菜箸を
とろんと香る小さな幸せ

お、美味しそう……。美味しそうなものには目がありません。「とろん」の擬態語大好きです美味しいです。

 

 

hakoniwa-no09.hatenablog.com

10.ひとつ

「おひとつで よろしいです」と言う度に 俺は孤独の王になるのだ

下の句の断言口調の強さがぱっと入ってきつつも、もう一度読み返すと上の句で少し可愛らしさを感じます。絶妙。

 

 

kimaya.hatenablog.com

8.あらたまの
あらたまの春に惹かれて飛び出した  「シロツメクサに似てる」と言われ

シロツメクサに似てる」ってなんかいいですよね。言われたら嬉しいかも。

 

 

 

考えたこと

 

素直な歌は人の心を打つ

私の歌は「ひねくれ短歌」なのだなあ、とつくづく感じました……。素直な歌ほど人の心にすっと入ってきます。緑茶 i 様の歌は本当に素敵で、発想の妙を感じさせつつもすっごく素直な感情が前面に出ているんですよね。これは出そうとして出せるものではないなあ、と。しかもそれが凄く自然に五七五七七の中に収められている。どなたかのブログか何かで、短歌の作り方として、まずは子供の喋り言葉のような平易な言葉で骨組みを作り、そこから表現や語順を置き換えて自分の短歌にする、という方法を拝見しました(どこで見たのか失念してしまった……)。私の場合、最初からちょっと捻くれた、かっちょいい表現使ってやろう、みたいなスタンスで詠みだしてしまうので、それがいかんのだよなあ。自分の中に素直な心が眠っていることを信じて、次回参加する機会があればその辺を意識してみよう。

 

語感は大事!

語感は大事。超大事。今回、つたないながらも短歌を詠んでみて、「短歌は詩だな」と感じました。様々な歌人様の歌を見ると、詩や小説のワンフレーズを抜き出したようなものが多く見受けられます。一方で、五七五七七を強く意識した、その歌の中で起承転結のはっきりしている歌もあります。特に近現代短歌は前者のようなフレーズ短歌が多いように感じます。私はどちらかというと近現代短歌にハマって短歌に挑戦してみた人間なので、ばーっと言葉が流れるようなフレーズ短歌もどきに走りがちになってしまったのですが、それだと定型に収まらないことが多く初心者がやるとただ単に読みづらい短歌になってしまうのかなあ……と。

で、話が逸れてしまったのですが、私が惹かれる歌というのは、語感のいい歌、何度も口ずさみたくなってしまうような歌なのだということが分かりました。語感の良い1言葉があると、それが延々と頭の中で繰り返されるんですよね。今回だと、目様の「卒業生らを茹でて食べたし」、虚無透様の「ゆこゆこと」などです。勿論、歌の内容あっての語感であって、語感を優先してはちゃめちゃな歌になってしまうのはよろしくないのですが、語感のいいワンフレーズがあると歌がより一層魅力的になる。まあ、語感なんて歌のオマケみたいなもので、ちょっといいフレーズがあればラッキー、程度に考えた方がいいのでしょうが、そのラッキーをちょっと意識的に狙ってみるのも良いかと思いました。

 

お疲れ様でした!これで五月の短歌詠めます!